2020年度実績

第108回 2020年04月10日(金) 総会
第109回 2020年05月08日(金) 勤務先事例紹介、実務従事報告
第110回 2020年06月12日(金) 勤務先事例紹介、自己紹介、働き方改革について特別ミニセミナー
第111回 2020年07月10日(金) 勤務先事例紹介、Teams勉強会
第112回 2020年09月11日(金) 勤務先事例紹介、10bizセミナーによるスキルアップ
第113回 2020年10月09(金) 勤務先事例紹介、New Normal時代の仕事、私生活の取り組みの変化
第114回 2020年11月13日(金) 勤務先事例紹介、副業について(ディスカッション)
忘年会 2020年12月11日(金) オンライン忘年会、「お勧めの1冊」コンテスト等
第115回 2021年1月8日(金) 勤務先事例紹介、今年の個人的なテーマ、抱負
第116回 2021年2月12日(金) 勤務先事例紹介、ペーパーレス化の取り組みについて(ディスカッション)
第117回 2021年3月12日(金) 勤務先事例紹介、コロナと診断士活動~コロナ禍から得た経験をどのように活かすか

※全回オンライン開催

BIZREN☆通信 16号 「コロナ禍の向こうに何を創る」

2020年4月 稲林豊太郎

外出自粛の日々
在宅勤務で、ネット会議や、面談の延期や中止連絡。そんな中での時差通勤、やむを得ない外出。本当にご苦労さまです。明かるいテーマにしたかったのですが、この時期、コロナ禍抜きには語れず申し訳ありません。

売上ゼロで倒産多発・経済大混乱時代を生き抜く覚悟を
中小企業は、2~3か月の資金しか持っていないところが多い。4月にストップすれば6月~7月に手元資金が無くなります。この恐さ感覚が、大企業内の診断士には判りづらい。
4月も半ばを過ぎ支援策がやっと出てきて、内容面も幅広いですが、申請に対応する処理スピードの遅さが問題です。医療も同じですが、この国はプロセス管理が苦手です。
在職していたガス・リフォーム会社から電話があり、家庭用はガス量が前年比伸びており、業務用(飲食、学生寮、観光施設)大幅ダウンとのこと。今後の集金を心配していました。超優良企業で心配はいらないですが、「9月末まで、月ごと、用途別販売量見込みを作成、怖がらず悪い数字を直視せよ、行動策を具体的につくって、見込差異・変化見逃すな。不安感は力にならない」と応答したところです。

落ち着いた先の異質な社会を少しでも見通しておきたい
診断士としては、「PEST分析」準備をしておくべき時と感じています。医療援助や薬品開発を梃に米中間の覇権争いが激化、東南アジア、中東、アフリカへの勢力図に変化があれば、国際的なサプライチェーンが変化し、日本企業の影響はどうか。IMFの世界経済見通し2020年-3.0%、2021年5.8%回復(4月20日発表 実質GDP、年間増減率%)
0000年米国  ユーロ圏  日本   中国  インド
2020年 -5.9  -7.5   -5.2   1.2   1.9
2021年  4.7    4.7    3.0   9.2   7.4

筆者は原油価格落ち込みと変動の影響、日本の輸入原価は下がりますが、中東の金融力低下、米国、露等の産油国景気悪化が長引くバランスの悪さは心配です。

テレワーク導入、IoT化は加速
技術上も、規制的にも課題はありますが、このコロナ禍が、唯一残す“福”だろうと思います。労働時間管理の問題や、ネット環境未整備の場所、情報セキュリティと、いろいろありますが、コストより何より安全優先の中で便利さを学んだ人間の力は大きい。
「うちは現場仕事で」という声もありますがセンサー、IoT活用範囲も拡大、5Gのスタートもあって、コロナ禍収束後更に大きく成長するでしょう。

労働力確保の手当て出来ず
総務省公表の昨年10月現在の人口推計で日本人の自然減は49万人で過去最多、厚労省公表の外国人労働者が19万8千人増えています。コロナ禍で入国制限が長引けば労働力不足を外国人で補っている弱さが露呈します。
「働き方改革」で中小企業にも2020年4月から、労働時間の上限規制(労基法36条)が施行されたが殆どニュースになっていない。ちなみにパート・有期法の適用は2021年4月である。

SDGsに繋げたい
環境省「うちエコ診断士」3年に1度の資格更新研修。今年は違ってeラーニング。気候変動問題、地球温暖化対策技術個人情報管理・消費者問題の3科目を受講し、その後120分間の○☓テスト。完了を押すと、即点数と合否判定が画面表示される何だかゲーム感覚のテストでした。温室効果ガス総排出量は、2018年度まで5年連続減少しました。経済の停滞で2019年度、2020年度とさらに減少しても収束後に、いかに持続可能な社会構造に移行できる形での経済の立て直しにできるかも課題です。

自室の窓から見える富士の姿が、春の時期にも関わらず松戸からもよく見えます。
「麟鳳遊」、伝説の麒麟や鳳がゆったりと安心して大空を遊んでいるという禅語ですが、その様な穏やかな日々を願っています。

執筆者プロフィール:

稲林豊太郎(いなばやし とよたろう) 1979年4月診断士登録
岩谷産業株式会社で主にエネルギー事業を担当、関係会社(アウトドア用品会社、ガス・リフォーム会社)社長等を務め、2019年7月退職、独立準備中、松戸商工会議所経営相談員趣味はトレッキング、毎年20回程度、丹沢、奥多摩、奥秩父を歩き回っています。富山県高岡市生れ大阪府豊中市育ち、1984年転勤で東京に

BIZREN☆通信 15号 「TSUNAGU ~つなぐ~」

2020年2月 阿部隆

2020年、いよいよ東京オリンピックイヤー。学生時代に陸上競技をかじっていたこともあり、男子400mリレーでのメダルが楽しみです(観戦チケットないのでTVで)。今年は令和初のお正月でしたが、例年どおり箱根駅伝をテレビで観戦。今年は特にハイペースなレース展開で、復路の鶴見中継所ではやはり繰り上げスタート。毎年心が打たれます。
バトンも襷もつながないと、成立しませんよね。ということで、今回は「つなぐ」をテーマに、先日資格取得した承継士と、私の企業内での後輩育成奮闘記からの気づきを少しご紹介いたします。

-事業承継士-
事業承継の専門家として、ということではないですが、いろいろな分野のノウハウを学ぶための一つとしてこの資格があることを知り、勉強のつもりで昨年の11月に土日祝日の全5日間を利用して事業承継の実態や実務について講義を受けてきました。(東京タワー足元の機械振興会館で、天皇御即位用ライトアップが見られました)

後継者がいない、後継者がいても経営者として未熟で引き継げない。事業承継において、後継者問題がまず上がりますが、それに付随して相続や節税対策などの問題も多いようです。それらの問題は個別に切り出され、それぞれの専門家(弁護士や税理士)が解決にあたるため、部分最適となりやすいとのこと。
そこで、関係者全体が納得できる落としどころを見つけ、トータルでどう折り合いをつけるのか、全体最適で承継の実現させるのが承継士のお仕事。企業の代表といえ人ですし、いろいろと悩みや秘密も抱えているもの。そういった人間の裏の部分や気持ちをくみ取ってこそ、代表と繋がることができるのだとか。

診断士というかPM向きのこの資格は、今年度お世話になっているPM養成マスターコースともつながるところが多く、いろいろなノウハウをリンクさせて学ぶことができました。
さらに企業のバトンパスを実現させるこの資格、実は税理士、公認会計士、弁護士など様々な士業の方が講座を受講されています。そういった専門家の方々との関係づくりもいい収穫でした。ライフプランナーの方には自分の保険も見直してもらいました(笑)

-後輩育成-
昨年から、新人の教育係を任されています。東大博士課程卒というハイスペックに、期待とむしろ自分で大丈夫?という不安の中、半年経ってみたものの…あまり成長の手ごたえがなく、正直焦っています。人を育てるのはなかなか難しい。
そんな中、先日執筆担当した媒体で取り上げられた「ジョハリの窓」の考え方を取り入れつつ、なるべく寛大に(?)接することに。

彼のわからないことが多いのは想定できるものの、教えたことがどこまでわかっているのかが謎。まずは、お互いの秘密の領域にある知識やノウハウを公開の領域へもっていかなければ話が進まない。だからこそ話し合うことで共有しつつ、互いの盲点を知ることにも繋がったり。
実はこれ、そういった経験が少ないほど自分の知らない領域(右半分)がいっぱいってことですよね。若手は可能性がいっぱいある=盲点&未知の領域の開拓が進んでいないってことなのかもしれません。彼がいつか後輩を育てられるようになるにはどうしたらいいか。それを考えることで自分も成長できれば。

-最後に-
平成から令和へ、現代表から後継者へ、先輩から後輩へ、時代や思いやノウハウをつなぎ続けることは難しい。それは自分が襷を持っているときは、それをつなぐために必死で、つないだ襷がその先まで続くことを考える余裕がないからかもしれません。だからこその監督役が必要とされるのですが。どうつなぐか、だけでなくその先を考えること、その大切さに気づかせてもらいました。この目線で診断士や承継士として活躍したいですね。

皆さんも、BIZRENやの様々な研究会活動で多くの人とつながりをもつことで、自分の盲点の領域に気づくことがあるのではないでしょうか?きっと多くの方が実感していらっしゃると思います。
いろいろな活動に参加して、新たにつながる仲間と、もっと広い窓からいろいろな景色がみられるよう、今年も走っていきましょう!

執筆者プロフィール:
阿部隆(あべたかし):2019年5月診断士登録
2008年から富士通株式会社に所属、現在は富士通クライアントコンピューティング株式会社(FCCL)にて、モバイルノートPCの筐体設計開発に携わるハードエンジニア。趣味は散歩とスノーボードとお酒。最近のブームはスパークリングワイン。