2019年5月 堀 崇博
『3.11』
2011.3.11. 診断士試験合格後の実務補習、最後の1社の最終報告会を3日後に控えた、金曜の昼下がりにそれは起きた。
帰宅困難のため、その日は会社に宿泊。同僚に「何書いてるの?」と訝られながら深夜までPCに向かい診断報告書を作成。
土曜は何とか帰宅。日曜にメンバーと報告会へ向けた最終すり合わせ。明けて月曜、いよいよ最終報告会に臨み・・・のはずが、交通機関がマヒ。診断先企業にたどり着いたメンバーは半分。やむなく報告会はそのメンバーに任せ、残りの半分(私も含む)は、動いている電車と徒歩を駆使し、登録手続き&修了式の会場でもある両国を目指すことに。
こうして私の診断士ライフは波乱含みのスタートとなった。
登録直後は意欲的にあちこちのイベントに参加してみた。春先は震災の影響で延期や中止になっているものも多々あったが、それでも支部総会や研究会の説明会、マスターコース説明会などを回るうちに、瞬く間に名刺の山ができる。
当時、「企業内診断士」に特化した研究会は珍しかったので、BIZRENには早い段階で入会を決めた。11月にはサッカーW杯で副審を務めたSさん(この方も診断士)をゲスト講師に初めてのBIZRENフォーラムも開催され、私も会場案内係を務めた。
『未知の世界への扉』
徐々に診断士の輪が拡がっていった私だが、ふとしたことで、新たな世界の扉に手をかけることになる。
ある時、仲良くなった同年代の診断士から食事会に誘われた。お相手は飲食関係の交流会で知り合った方々だという。その食事会で同席したのが「世界一美しい食べ方のマナー」の著者で、芸能人のマナーをチェックするバラエティ番組などにも出演しているOさん。日本箸文化協会の代表でもあり、ついつい他人の箸の使い方にも目が行ってしまうそうで、私も冷や汗をかきながら慎重に箸で食事をつまんだ(笑)
その席で話題に挙がったのだが、Oさんは「日本ビアソムリエ協会」の理事も務めているという。私も元々ビールは好きだったのだが、風呂上りに大手メーカーの缶ビールをグイっと飲むばかりで、ソムリエ資格があることなど全く知らなかった。早速に資格講座の受講を申し込み、私はビールの世界に足を踏み入れた。
ビアソムリエ講座の受講者は、飲食店の従業員やビール会社の社員、私のような一般消費者など様々で、ここで多くのビール業界人と交流することができた。
ビールというとアサヒやキリン、サッポロといった大手のビールが頭に浮かぶ。実際の流通量も、大部分を占めるのはこうした大手のビールなのだが、ビアソムリエ講座では、実は世の中には驚くほどたくさんの種類のビールがあることを学ぶことができる。
まず、国によって違う。ドイツは日本でも親しまれている「ラガー」タイプが主流だが、ベルギーにはスパイスを使ったものや、ウィスキーに近い味わいのものもある。イギリスは黒くて炭酸弱めの「スコッチエール」が有名だ。
そして近年、流行の大きな波が来ているのが 「クラフトビール」 。クラフトビールは、いわゆる大手ビールではない、小規模な醸造所で作っているものの総称で、全国各地の地ビールもこれにあたる。それぞれ、自社の特徴を出すために素材や製法等にこだわって多種多様な味わいを造り出しており、クラフトビール専門のビアバーも都内で次々にオープンしている。
そんな全国各地のクラフトビールが一堂に会するイベントが「けやき広場ビール祭り」や「大江戸ビール祭り」などのビアフェスである。ビアフェスでは安価な「4種飲み比べセット」などを各地の名産品とともに楽しむことができ、年々、来場者が増加する人気イベントとなっている。
↓地方ではお城の麓で開催されることも
また、手軽にクラフトビールが楽しめる穴場として、百貨店で開催される「大北海道展」や「鹿児島展」などの物産展がある。最近では必ずと言っていいほど、その地元のクラフトビールが出店されており、安価に飲むことができるのでおススメである。
↓お得な4種飲み比べセット
こうして診断士のつながりをきっかけに新たな世界を開拓できた。今後も機会があれば、思い切り良く足を前に踏み出して扉を蹴破って行こうなどと思っている。
執筆者プロフィール
堀崇博(ほりたかひろ):埼玉在住。空調エンジニアリング会社にて経理業務と経理システム構築に携わる。2011年診断士登録。ビアソムリエと日本酒ナビゲーター、チーズ検定と日本城郭検定の資格を持つ。出張にかこつけて各地の城を巡り、地元のビールとグルメを楽しむ。好きなお城は松本城。