BIZREN☆通信 3号 「魔都・上海での診断士ライフスタート」

2019年4月 児玉淳也

「ちょっと、いい?」

上司の本部長にそう声をかけられたのは、2018年10月に入って早々の昼下がりのことでした。

今の会社に中途入社して12年ほど経ち、何度か部署異動はしたもののやっていること自体はあまり変わらず、だいぶマンネリ化していた頃でしたので、多少のことには動じなくなっていました。

が、会議室に入るやいなや、「上海の現地法人の駐在員もだいぶ長く行っているから、そろそろ交代させないといけなくてね~。どう、上海行ってみる?」と突然言われ、さすがに一瞬何のことだかわかりませんでした。「えっ、自分が上海に駐在するということですか?」と聞き返し、「そう。1週間考えてみて。」と。

その約3か月後、私は年末の上海にいて、年越しを上海の観光名所の外灘(ワイタン)で迎え、2019年1月より上海での仕事がスタートしました。

中国では、元日のみお休みなので、1月2日からみな普通に仕事をしていました。さらに言うと、今年は2月5日が旧正月(春節)だったため、1月下旬ごろまでクリスマスツリー(!)が飾られているというなんとも不思議な光景もあちこちで見られました。日本だとクリスマスが終わったらすぐに撤去されて正月ムードになるのとは大違いでしたね。

中国のお正月と言えば「爆竹」を派手に鳴らすことが有名ですが、上海の中心部では爆竹を鳴らすことが禁止されていて、最近はすごく静かな正月になったそうです。なんかちょっと寂しい感じもしますね。あと、街中のいたるところに監視カメラが備え付けられており、違反者はカメラでナンバーを自動認識されて点数が引かれるらしいので、クラクションを鳴らしたりするのもだいぶ減ったそうです。

こちらでの診断士的な活動としては、来て早々に「上海中小企業診断士会」に参加させていただきました。その日は、日本からゲストスピーカー3名が来てくださいまして、「日本から町おこし人起こしプロデューサー」、「社会保険労務士」、「心療内科看護師」というバラエティーにとんだスピーカーに加え、診断士チーム5名で例会を行いました。皆さんのバックグラウンドが全く異なり、普段の仕事では聞けないようなディープな話をたくさん聞くことができました。

なお、テーブルの上に食事がいろいろ乗っていますが、こちらではスマホからの出前(「ワイマイ」と言います)が非常に盛んであり、普通のお店はほとんど出前対応してくれてとても便利です(※配達途中で電話がかかってきたりするので、ある程度の中国語力が必要になるのですが^^;)

企業内診断士ビジネス連携研究会(BIZREN)には、診断士登録した2015年から参加し、ものづくり補助金の申請支援などを中心に活動し、おかげさまで3年間で診断士の更新ポイントをクリアすることができました。企業内という様々な制約がある中で、活動しやすい環境が整備されていることは大変助かりました。今年から上海に来ましたが、海外でもできる診断士活動はたくさんあると思いますので、今後、BIZRENメンバーや上海中小企業診断士会の皆さんとも連携して模索していきたいと考えています。

ちなみに、タイトルにある「魔都」というのは上海の別称で、デジタル大辞泉によると「不思議な力で人を迷わせる都市。また、享楽的で誘惑の多い都会。」という意味らしいです。
誘惑に負けずに頑張っていきたいと思います(笑)


執筆者プロフィール

児玉淳也(こだまじゅんや):上海在住。ITベンダーに勤務し、現地法人のマネジメントと営業を担当。2015年診断士登録。国際物流会社やチェコの商社での勤務を経て現職。趣味はお酒で、ワインエキスパートと利酒師の資格も持つ。中国駐在中に白酒と紹興酒を極めるのが目標。WeChat ID: jkodama1216